2006年04月24日

「ゆとり」の犠牲


長岡京〜山崎・JR西日本 東海道線[JR西日本201系(クハ200)須磨ゆき]
ありがち鉄道写真館 No.129

*     *     *     *     *

 2005年4月25日に尼崎で発生した事故の遠因とされたカツカツのダイヤが、「ゆとりダイヤ」と表現されるダイヤに改められたのが、2006年3月18日のダイヤ改正。もっとも、改正後のダイヤでも、余裕の不足や、駅間の運転時間がかえって短縮されたケースなどが、指摘されている。

 カツカツのダイヤは、車両や乗務員の運用効率を極限まで上げるためのもの(=コスト削減策)だった。所要時間について、無理のある目標が立てられていたに違いない。たとえば、新快速が130km/h運転を開始するにあたって、大阪〜姫路の所要時間が57分と発表されたときには、無理があるとの指摘があった。もともと120km/h運転で62分だった区間だが、それでも列車の遅れが頻発していたのだから、当然の指摘である。130km/h運転開始後、どうなったかはよく知られたとおり。

 ようするに、57分というのは、必要な所要時間や停車時間を積み上げた結果としてそうなったのではなく、大阪での発車時刻を上下とも0・15・30・45分発に維持しつつ車両と乗務員の運用効率を上げるために要求された数字だった、ということであろう。ジェットコースターのようなカーブの通過速度、今まさに乗ろうとする乗客を置き去りにする短い停車時間なども、そのための手段だった。

 ダイヤにゆとりを持たせるということは、このコスト削減策を否定することになる。本来であれば、JR西日本が100%責任を負うべき事例であるから、たとえコストが多少増加しようとも所要時間以外の面でダイヤの利便性を犠牲にすることは許されない。しかし、JR西日本はコスト増加を避けるため、一部の列車の運転区間を短縮した。つまり、責任の一部を利用者に転嫁した。復活した「須磨ゆき」は、JR西日本にはびこる責任逃れ体質を象徴する、数少ない目に見える存在であるといっても過言ではない。

(気ままに撮らして!鉄道写真 No.40)
posted by Fair_Fare@U.R.L. at 00:14| Comment(0) | TrackBack(0) | JR西日本
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